本当は怖いぽんぽんぺいん

どうせ腹痛なんて我慢してれば治るベという人へ。
もう随分昔の話なんですけど。盲腸になったときの話なんですけど。
当時はmixiやってたのでそっちの日記掘り返せば正確な日付が分かるけどそれは些細なことなのでどうでもいい。大雑把に言うとシルバー事件25区が配信されてた頃。シルバー事件DSまだかなー楽しみだなー。


さて当時。あの日は金曜の夜勤で、途中から腹が痛み出したのを覚えている。
どうせ放っておけば大丈夫、最悪トイレに駆け込むという構え。ところが一向に治まらない。トイレに入っても何も出ない。
仕事は終わらない。途中から脂汗を垂れ流しながら仕事をしていた記憶がある。
なんとか仕事を終わらせて帰寮。この時点では「辛いけど土日寝てれば治るだろう」と楽観していた。


土曜。腹痛で動けない。
さすがに何か食べないとと思って近くのコンビニでパンを買ってくるも食欲が湧かない。飲み物でなんとか凌ぐ。


日曜。腹痛は悪化する一方。
土日寝て過ごすのもなーとゲーセンに行くも、こんな体調で三国志大戦2クエDもプレイできたもんじゃない。
帰り道にラーメン屋に寄るが、口に運んだ瞬間何かがおかしい。味覚が狂っていた。ろくに手を付けられずに店を出る。この辺りから危機感に襲われ始める。


日曜夜。痛みで眠れない。
飲まず喰わずの状態だったので、せめてお茶でもと寮の自販機で買って飲もうとするが、すぐに胃からリバース。体が受け付けない。やばい。


月曜朝。上司に電話して病院に行く旨を告げる。
寮の管理人さんから車で病院まで送ってもらう。感謝…圧倒的感謝…!
最初の診断で「盲腸かも知れませんね」と言われてそんなまさかハハハと言いながら待合室に戻ると携帯で盲腸の症状について調べてたら下腹部の痛み、嘔吐などドンピシャで青ざめる。
その後採血やCTスキャンなどに回され、診断結果は盲腸。糞石というのができて、それが腸を突き破ってその箇所が悪化したとかなんとか。
ということは入院コースだから一度帰って荷物取ってきますと言ったら即手術コースだそうで。医者曰く「よくこんな酷くなるまで我慢しましたね」と呆れ顔で。
上司に盲腸だから暫く仕事行けないのゴメンネー☆ミと連絡して、手術室へ。


手術室。人生二度目。
麻酔をかけられて、動かせるのは頭だけ。下半身は完全に麻痺、腕は手術台に縛られて身動きが取れない。
まず脱がされる。そして剃られる。どことは言わない。
開腹された時の記憶はいまいち覚えてない。特徴的な音とかはなかった気がする。
ちょっとして金属の刃物が高速回転する音。そしてそれが自分のそこに当てられて上がるチュイイイイイインという音。怖い。
落ちつこうと呼吸をゆっくりしてたら看護士さんから「普通に呼吸してください」と言われる。この状況で普通にとか言われてもハードル高いっすよ!
やがて音が変わって、なんか吸い込むずぞぞぞという音がする。すると自分の目の前の透明なチューブを赤い物がヒュンヒュン通っていく。マジ怖い。
目を逸らそうにも精々首を横に向けて心電図のアレがあるくらい。
いっそ寝てしまえば楽になれたのかも知れないけど、「ここで意識が途絶えたら二度と目を覚まさないのでは」という恐怖に襲われて必死に意識を繋ぎとめていた。

無事手術成功して、病室へ。三日くらいは看護士さんたちの待機してる部屋のすぐ横の部屋、その後は一般の病室へ。
腹にコルセットのようなものが付けられていて、そこからチューブが出て袋に繋がっている。要はまだ腹の中に悪いものが残っている。手術が終わる=完治ではないのだ。
で、この手術終了後の状態。辛い。何が辛いってベッドから出るのが辛い。
介護用のベッドでボタンで上半身の部分が上がったりするハイテクな代物だが、それが逆に辛い。
なんで辛いかって、腹を掻っ捌かれたのだ。まだ麻酔が効いてるとはいえ、起き上がろうとするときに腹に一切の力をかけないのは不可能だ。結果、起き上がろうとすると痛い。すごい痛い。
上半身起こすボタンで上半身が自動的に曲げられてぐええーっ!となるので、楽を求めた結果上半身を起こすベッドの動きに合わせて体を滑り落として這うようにベッドから出る有様。トイレに行くにも点滴台を杖代わりにして歩くのがやっとだった。


そして手術の終わった日の夜。それは訪れた。
痛い。患部が痛い。麻酔が切れた。やばい。腹を切られると痛い。ちぃ覚えた。
ナースコールぽちり。すぐ横なので看護士さんが二人即座にやってくる。
すごい痛いことを伝える。そうとしか言いようがない。
すると一人が待機部屋に戻って薬を取ってくる。座薬をだ。
えっ、まさかとうろたえる俺を二人がかりでズボンを脱がせていく。痛みで満足に体を動かせずいいなりになる俺。挿入される異物に俺は(検閲により削除)


これ以外に入院中は特に面白アクシデントはなかったからこの辺で。
管理人さんから携帯の充電器持ってきてもらったり、友人から小説とDSの差し入れがあったので時間を持て余して退屈とかはなかったのが救い。


体の痛みは信号なのだ。SOSを伝えているのだ。
確かに人体はある程度は自然に治癒するとは言え、そのラインを超えたら悪化する一方。
たかがぽんぽんぺいん、されどぽんぽんぺいん。
まさかと思ったらすぐに病院に行って医師の診察を受けることをお勧めする。3週間の入院と20万の入院費用は伊達ではない。

あと万一の事態になったとき、誰か頼りにできる人(今回の場合管理人さん)がいるというのは大事。マジ大事。