安斎都と思い出の鍵 その3

〇これまでのあらすじ
https://twitter.com/A24_mitsugishi/status/765227079327637505?ref_src=twsrc%5Etfw&ref_url=http%3A%2F%2Fd.hatena.ne.jp%2FA24mitsugishi%2F20160819%2F1471624333

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休憩所のソファからゆっくりと立ち上がる。向かうのはPのデスク。
見たことのない、存在しない「思い出」を垣間見る鍵。Pの妄言なんかじゃない。
とりあえず見たものを相談してみよう、一人で考えて何か分かるような気はしなかった。


廊下を歩いていると、反対側から眼鏡をかけた上品な女性が歩いてくるのが見えた。
すれ違いざまになびく髪が目に入る。茶色の髪。横顔。
思わず足を止め、彼女の背中を目で追う。名前も知らない、見たこともない人。
だけれど、彼女との「思い出」を見てしまった。これはただの偶然だろうか…?