安斎都と思い出の鍵 その3
休憩所のソファからゆっくりと立ち上がる。向かうのはPのデスク。
見たことのない、存在しない「思い出」を垣間見る鍵。Pの妄言なんかじゃない。
とりあえず見たものを相談してみよう、一人で考えて何か分かるような気はしなかった。
廊下を歩いていると、反対側から眼鏡をかけた上品な女性が歩いてくるのが見えた。
すれ違いざまになびく髪が目に入る。茶色の髪。横顔。
思わず足を止め、彼女の背中を目で追う。名前も知らない、見たこともない人。
だけれど、彼女との「思い出」を見てしまった。これはただの偶然だろうか…?
Pに相談することに決めた安斎都こと君は、その途中で夢の中で追いかけていた女性と思しき人とすれ違った。このままPに相談にいくべきだろうか…?
— かわうそ (@A24_mitsugishi) 2018年1月5日