新説日本昔話
昔々、あるところにおじいさんとおばあさんがいました。
おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に出かけました。
おばあさんが洗濯をしていると、川の上流からどんぶらこっこ、どんぶらこっこと
とても大きな
おばあさんはこの
するとどうでしょう、中から小さな男の子が出てきたではありませんか!
二人はこの子を
やがて
「
おじいさんの無茶振りにさすがの
おばあさんはとっておきのきび団子を
「
優しい
その調子でサルとキジもお供に引きつれ、意気揚々と鬼が島へ向かったのでした。
――その頃鬼が島では――
「なあ、本当に……これで良かったのか?」
「これしか無かったのよ。鬼を退治した英雄ともなれば、あの子の未来は約束されたようなもの。少なくともここで一生を終えるような惨めな生活は無いでしょう」
「……そうか。そうだな」
「倒されるのは私一人でもいいのよ?」
「馬ッ鹿、女房置いて逃げる旦那が居るかよ」
頬を赤らめそっぽを向く女。
「……楽しかったなあ」
「……そうね」
「あの子の未来に、幸多からんことを」