早苗もん

「うわーん、早苗もーん!Pさんからまた子供扱いされましたよ〜!」
「また?しょうがないなー若葉ちゃんは。(ごそごそ)クリアアサヒー!」
「えっ」
「はい」
「はいって」
「嫌なことがあったら飲んで忘れる。それが大人よ」
「そうですか〜?じゃあちょっとだけ…」ぐびぐび
「おお、いい飲みっぷりじゃない。もう一本どう?」
「あ、頂きます〜」


「聞いてますかぁ〜さなえさん〜?Pさんってばほんとうにひどいんですよぉ〜!」
「あーうん聞いてる聞いてる」
「わたしはもうりっぱなおとななのにですねぇ〜、いっつもいっつもいっつもちっちゃいだのなんだの言うんですよぉ〜!」
「うーん、でもねー若葉ちゃんも問題あると思うよー?」
「早苗さんまでわたしをちっちゃいって言うんですね〜」
「いやーこうなんというかさ、その間延びした話し方とか」
「うっ」
「そのおっとりした垂れ目とか」
「ううっ」
「その辺どうしても幼い感じがしちゃうから若葉ちゃんなのよねー」
「ううう…」
「でもね、言い換えればその辺変えれば印象もガラリと変わってあのPもイチコロってわけよ。オーケー?」
「おー、おーけーおーけー」
「まず若葉ちゃんの問題の一つは受け身がちなところね。主導権を握られちゃってるのよ」
「こくこく(無言で首を縦に振る)」
「そこでまず先手を取る。どーんと押し倒しちゃおう」
「おしたお…!?」
「で、見下げて睨みながら『わたし、ちゃんとした大人なんですよ…?』と凄む。これでもう取ったも同然よ」
「おしたおして…みさげて…にらんで…すごむ…」
「そうそう。そうすればもうPの態度も豹変して土下座して出迎えるくらいになるわ」
「わかりました〜、わたし、がんばります〜!」
「よーしじゃあ景気付けにもう一本いこうか!若葉ちゃんの大人扱いを祝って、かんぱーい!」
「かんぱーい!」


「うう…ちょっと頭痛いかも〜…おはよーございます〜」
「あ、若葉さん。おはようございます」
「あ」
「?」
「ちょっとそこで立っててもらえますか〜?」
「? はあ」
「…とーっ!」どーん
「ぐえーっ!!?」
(あれ…押し倒せなかったんですけど…こういうときどうすれば…)
(俺若葉さんに何か悪いことしたっけ?子供扱いに対する報復行為?)
「えっと、その、若葉、さん?これは」
「ちょ、ちょっと待ってください〜!」
「アッハイ」
(ど、どうしましょう…というかこれって今Pさんに抱きついてるみたいな格好なんじゃ…!?)


☆テンパって追い詰められた若葉さんの取った行動とは…!?


ご愛読ありがとうございました。かわうそ先生の次回作にご期待ください